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今日も地球がまわるからワタシはぐるぐる夢をみる、、 ふわふわ浮かんだ妄想を短編小説に込めました、、ユメミルアナタへ愛を込めて☆             
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濡れた傘はどうすればいいですか。長細い空間を自分でも驚く程ハキハキとした口調が反響する。しばらく待ってもその問いにヌシからの答えはなかった。視線の遥か先でヌシは微動だにしなかった。生きているのか。そもそも本当にヌシなのか。万が一視線の先の影がヌシでなかったら、、それはこの旅の終わりを意味する。ドアの向こうで2度3度と豪雨にさらされ続けた傘を振ってから入って来たのだが折り目の谷の部分にはまだずいぶん水滴が残っていた。あるいは聞こえなかったのかと同じ事をもう1度問いかけてみても自分の声だけが空しく反響しやがて冷たい静寂が空間に充満した。静かに1歩踏み出した。案の定きちんと磨かれた床に雫が垂れた。そして獣の呻きが腹に響いた。天井を見上げると猫のようなものがあーあと言った表情でコチラを見下ろしていた。まるで大きな猫は石柱のレリーフの窪みに器用に佇(たたず)んでいた。美しいオッドアイがまるで見定めているかのようで吸い込まれながら今にも石になるのではと冷や汗が背中を伝った。預かります。いつの間にかヌシの隣りにやたら袖の長いジャケットを着た老人が湧いていた。見事な口髭は頭髪と同じく綺麗なグレーに自然脱色していた。ヌシが動いた。ぴくと老人に身を数ミリ寄せると耳許でなにやらつぶやき、老人がこれ以上ない上品さで微笑した。ひと呼吸おくと派手に袖を振り回した。


ヌメりとした感触を足の裏に感じた。どうやらいよいよここのヌシと対面するのか。ごくりとツバが喉を通過した。じっとりと腰から上に汗が出る。頭上でカラスが騒ぐと遠くのカラスが呼応した。静寂はないのか。集中力を維持する事にひどく疲れていた。

ヌシを怒らせたの?「ぁあ、、どうやら間違いない」三日月が出ていた。こんな夜でも自然物の神秘で一時的でも心は容易く清らかになっていく。見晴らしのいい高台で夫婦でひそひそとやっていると小さな懐中電灯で照らされた。

ヌシに関する情報はどれもどうやらガセらしいよ。
子供の言う事なので半信半疑であった。
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Edit by : Tobio忍者ブログ│[PR]