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けーじどーしゃけーじどーしゃ

仲澤茶之助がスクランブル交差点で信号待ちをしていると、
側の植え込みの辺りから幼児の様な声を聴いた。
時刻は19時になろうとしている。
渋谷駅前は今夜も異様なエネルギーに満ちていた。

仲澤茶之助は気のせいかと思ったが、一応 iPod の音量を下げた。


けーじどうしゃ


最後の左折車が早まる歩行者を寸前でかわすと信号が変わった。
待ちわびた雑踏がざわと動きだし何かがスタートした。
留まっていた熱が引っ張られる。
仲澤茶之助は “慣れた人” を見定めるとその流れに身を寄せた。

幼児の声のした方をちらと振り向いて見る、