三途の川を渡り終えると井之上流太郎がいた。
彼とは高校に上がる時に引っ越して以来だから、
かれこれ80年振りの再会になる。
流太郎か
声をかけると井之上流太郎はちらと顔をあげた。
そして川面に目を戻した。
サメの歯の化石
夏が近づいている。
サーファーが一人残らず帰ったのを確かめて車を降りた。
トランクから必要なものを出す。
砂浜に降りた。
スニーカーと砂の相性に慣れるまでフワフワとした足取りで波打ち際に近づく。
砂糖売り、と名刺には書かれていた。
サックスの音が聞こえ出し時計がきっちり16時20分を示していた。
先月からどこかの誰かが裏の公園で練習している。
毎日定刻に
サリーとの出会いは暑い午後だった。
バスに彼女が乗ってきた時、
弟とぼくは寸前までの自分達の子供っぷりに赤面した。
サッカー場に来るのは10年振りだった。
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