スイミングスクールの前で大羽仁雪子に会った。
でっかい彼氏を連れている。
私はと言えばフェレットの散歩中だった。
「あ、ワニちゃんだ」
久しぶり久しぶりと言ってお互いの二の腕の辺りをぺしぺしと叩き合った。
その間、フェレットはぐるぐると二人を回る。
でっかい彼氏は気色悪い笑顔でその全体、つまり2人と1匹を見ていた。
大羽仁雪子とは小学生の時よく “ごっこ” をしたものだった。
ベストテンごっこなどと言って、
当時流行っていた歌番組の真似事をよく2人でしたっけか。
遠離る幼馴染みの背中を見ながらそんなノスタルジーに包まれた。
でっかい彼氏のお陰で背の高い大羽仁雪子が普通の女の子に見える。
「ぁいつ」
スカンジナビアという名の が駅前の2本目の路地を入った所にできていた。モリモリ森ノ助は自転車を引き返し駅ビルの本屋へと駆け込んだ。早速、地図でスカンジナビアを探す。スカンジ、スカンジ、、
もりもり?
モリモリ森ノ助は立ち読みの顔をのぞかれた。
好きと言った途端に気絶したようだ。
どうやらまた失敗した。
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