鼻からすうすうと穏やかな呼吸音が聞こえ始めたのでそっと腕を枕に差し替えてバスルームに行った。そろそろ読み終わる文庫本を持った。ベットサイドの電気をギリギリまでしぼると部屋に充満するしんとした空気がカレをクィーンサイズのベットごと包み込む。ようやく、(少なくとも朝までは)カレに訪れた平穏に胸が満たされた。
俳句をつくらなきゃいけないから。と言うと「じゃウチでやれば」と彼は返してきた。でも。云々と歯切れが悪い雰囲気に業を煮やしたのかしばらくの沈黙の後「あそうだ俺も俳句をつくらなきゃ」と聞こえたかと思うと通話が切れた。
ハカセというあだ名だった同級生とばったり魚売場で出会った。さぁレジにと向かう途中で急に魚が見たくなったので鮮魚コーナーへと引き返した。するとタコのパックをひとつひとつ吟味する男がいた。ハカセだった。
橋を渡るとそこに新しい事が待っている。
鳩に着いて来られる夢を見た。1羽2羽、4羽8羽、16羽と倍々に鳩は増え最後何千という平和の象徴について来られるという悪夢に寝汗をたっぷりとかかされて目が覚めた。
PR