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今日も地球がまわるからワタシはぐるぐる夢をみる、、 ふわふわ浮かんだ妄想を短編小説に込めました、、ユメミルアナタへ愛を込めて☆             
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「どうやら完全にやんだようじゃの」

頭からスルりと帽子を引き下ろすと老人は独り言の様に呟いた。
季節外れのつば付きニット帽が丁寧に老人の手の中で畳まれる。
短く刈り込まれた白髪を前からゆっくりと撫でた後、
老人はひたひたと広いおでこを叩いた。
初夏の陽射しがまだ五月である事を忘れさせる。
微動する主人の膝の上で猫が目を覚ました。
まだおでこに触れながら老人は小さく頷いている。
猫は音もなく地面に飛び降りた。
でっけぇ 猫のあまりの大きさにボクは思わず声を出した。
その声に大猫は耳をピクリとさせる。
やがて老人の足下で豪快に伸びをした。
猫にばかり気を取られていたが、老人の呟きがかろうじて耳に届く。
前触れ、と言ったかと思うと老人はベンチから重そうに腰を上げた。
ゆっくりとした足取りで老人が進むと大猫がその後をしなやかに付いて行く。
もうバス来ますよ なんとなく言ってみた。
老人が振り返る。
笑みを浮かべながら、再び「前触れ」という言葉を静かに繰り返した。
老人はカバンから小さな瓶を出す。
栓を外し瓶を振ると二粒だけ手に乗せて後は瓶に戻した。
二つのうち、一つは猫にもう一つは自分の口に放り込む。
向き返り再び歩き出すと老人と猫は歩く速さが上がっていた。
やがてブロックの先の曲がり角で一人と一匹が見えなくなる。
ボクはバス停のベンチに座り直した。
遠くを見ると丘の上の風車が全て止まっている。
それは見た事のない
異様な光景だった。

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Edit by : Tobio忍者ブログ│[PR]