音の無い部屋でエヴァで知ったベートーベンを口ずさんでみた。
水中でハミングをする様に口の中で共鳴した声がくぐもって頭蓋に反響する。
あらかじめ発狂する自分を想像しておく。
目を閉じて光も無くす。
オレ達だけですね、、
結局、申し合わせ通りの格好をしてきたのはオレと北見さんだけだった。
気まずい空気を抱えたまま、
オレ達9人は降りる “箇所” を探した。
サンダルを引きずる、じょっ、じょっ、という音が、
新しい朝の始まりだした海岸通りに耳障りだった。
ネスは時折海を見た。
波がない。
水平線の辺りにバカデカい軍艦が2隻。
停まっているようだが、動いているのかもしれない。
離れ過ぎているのでネスには判断がつかなかった。
ただ。
静かな朝の静かな海で圧倒的な存在感で2隻は “そこ” にあった。
突然、北見さんが堤防に飛び乗った。
きゃ
先を行く6人が振り返る。
北見さんは
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