02_17.4

「アレってどこだ」

地元の高校生らしきカップルの女子の方が男子の方に聞くでもなく口に出す。
言葉がゆらゆらと漂ってから広い空に消えた。
西の空にまだ薄く夕が残っている。
手前で都県を繋ぐ大橋の上を車のテールランプが赤く染めていた。
川向こうに目を細める。
遠くのビルだかマンションだかのてっぺんに小さな火の花がぽんと咲いた。
遅れてとんとんとやさしく爆発音が届く。