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今日も地球がまわるからワタシはぐるぐる夢をみる、、 ふわふわ浮かんだ妄想を短編小説に込めました、、ユメミルアナタへ愛を込めて☆             
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「どこまでいくのかしら」
女はガラス窓にへばりついたままでつぶやいた。
久しぶりに聞いた軽くてか細い音の波はガタンゴトンにすぐに消えた。
それが自問だったのか質問だったのかを考えながら僕はしばらく黙っている。
車内に次の駅がアナウンスされて列車がぐうと減速を開始した。
駅ビルが見え始めいくつもの橋の下をくぐって行く。
列車はするすると乗客の待つホームへと滑り込んだ。
運転手が替わる。
新しい彼が窓越しにチラと我々を確かめた。
女の背中で小さな羽がかささと微動する。
僕はただ、できるだけバスケットを揺らさないように支える両手に集中していた。
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Edit by : Tobio忍者ブログ│[PR]