フラミンゴが中州にいた。しとしとと三日三晩雨が降り続け四日目の朝、空が明るくなる前に家を出た。空は相変わらず分厚い雲が覆っていたが雨は止んでいた。雨にさらされていた自転車は足取りが重かった。各部に溜まった水気を吹き飛ばす感じでペダルを漕ぐ。気持ちの問題。この三日間、全く同じ曇天に小雨。まるでこの世が終わっていくような雰囲気だった。「ほんとに終わったのかな」早朝とはいえ町に人がいない。車も一切走っていなかった。交差点では信号機が意味もなく交互に色を変えている。
伏せていなさい、と言われるままにその場に突っ伏した。何が起こったのか、あるいは起ころうとしているのか。
風来坊がよく立ち寄る場所を探していて有力な情報を手に入れた。インターネットの奥の奥の方から引っ張ってきたホームページの隅の隅の項目によればひとつは小さな書店らしい。それはなんでも千代田区という地域の神田神保町という所にあるらしい。
筆でしっかりと書かれた宛名に惹かれたんだろう1度もしゃべった事のない同級生のグループ展に足を運んだ。卒業名簿かクラス名簿で差し出したのだろうそのダイレクトメールはこの街に引っ越してからの記念すべき転送郵便第1号だった。
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