「本日はお招きいただきまして 」
言い出してから、
はたと気がついて慌てて帽子を取った。
ありがとうございました、そう続けつつ深くお辞儀をする。
一、二、、三
お師匠に教わった通りにゆっくりと三つ数えてから姿勢を戻した。
視線を上げる。
大御所の予定より大分の早めの登場によりメンバーがほぼ集結した。
いよいよ長い一日が開始する。
全身にたまった二酸化炭素を音の出ぬように鼻から放出していると、
馬鹿に大きなテレビの上の長いネコのぬいぐるみがぬらりと飛び降りた。
(ぎゃ)
本物かよ、思わず下品なリアクションをするところである。
どぅんと音がしてテレビ画面が点いた。
そのすぐ前で長いネコはぬううと伸びをする。
長いネコだけに見ごたえのある豪快なストレッチであった。
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